2025年2月、伊藤詩織さんが望月衣塑子さんを名誉毀損で提訴しました。
伊藤さんは自分が監督した映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」について、望月さんが誤った記事を書いたと主張しています。
ですが2人はこれまで立場が近くて仲が良いというイメージが強くありました。
実際のところはどうだったのでしょうか?
この記事では、
伊藤詩織と望月衣塑子は内ゲバ?仲間割れとの声も関係性は?【提訴】
と題して、2人の有名な女性ジャーナリストの関係性がどうなのか、詳しくさぐっていきます。
伊藤詩織と望月衣塑子の関係性は内ゲバ?

では伊藤詩織さんと望月衣塑子さんの仲の真相をさぐってみましょう。
かつては信頼関係があった
伊藤詩織と望月衣塑子さんは以前、女性の権利や性暴力問題について共に声を上げてきました。
2018年には『しゃべり尽くそう!私たちの新フェミニズム』という本を共著で出版。
メディアにおける女性の権利や表現の自由について、共に活動してきた経緯があります。
さらいn望月衣塑子さんは2017年に伊藤詩織さんの性暴力被害について、約3時間にわたるインタビューを行いました。
他のメディアが報道を控える中で積極的に取材を続けてきたのです。
伊藤詩織さんもその姿勢を評価し、信頼を寄せていました。
つまりかつて2人は、同志のような信頼ある関係にあったと言えるのではないでしょうか。
映画をめぐる対立
伊藤詩織さんが監督を務めた「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」は、サンダンス映画祭で上映され、アカデミー賞にもノミネートされる注目作品となりました。
ですが望月衣塑子さんは、取材源の秘匿という報道倫理の観点から映画の手法を批判しました。
つまり、無断で個人情報を映像でさらしたとして伊藤さんを批判したのです。
これに対し伊藤詩織さんは、映画には公益性があり、プライバシーにも配慮していると反論しています。
また個人情報も承諾を得たうえで映像にしていると主張し、真っ向から対立しました。
そして2025年2月に、伊藤詩織さんが望月衣塑子さんを提訴したのです。
これまであった信頼関係は壊れてしまったと言えるでしょう。
SNS上の声「仲間割れ」「内ゲバ」
Xでも提訴の報道の後、多くの投稿が流れました。
2人がもともとは近い立場だったことから、多くの人がグループ内での対立とみられているようです。
ですから「仲間割れ」や「内ゲバ(内部分裂)」という言葉が多く流れていました。
伊藤詩織さん、名誉毀損で東京新聞の望月衣塑子記者を提訴 映画を巡る記事は「事実と異なる」 望月記者「誤りはない」←仲間割れか 左翼。
「望月衣塑子」トレンド入り、何かと思ったら内ゲバ。仲間割れか。爆笑。バンバン訴訟が起こるねこの界隈。
伊藤詩織の提訴と望月衣塑子の主張

伊藤詩織さんと望月衣塑子さんの主張が食い違っているのはなぜなのでしょうか?
伊藤詩織さんの代理人弁護士によると、東京新聞記者の望月衣塑子さんが映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」について記事を執筆しました。
そのなかで、
女性記者たちが性被害などを語った非公開の集会の映像が、発言者の許諾がないまま使われていた
といった内容がありました。
つまり、望月さんの考えでは、伊藤さんが参加者の個人情報を映像で無断で使用したということになります。
ですが、伊藤さん側は訴状で、この参加者から映像使用の許諾を得ていたことを明らかにしています。
ここが2人の主張の大きく違うところです。
東京新聞は2月7日、記事の見出しや本文を訂正。
伊藤詩織さんが映像使用の許諾を得ていたことを認め、
「誤解を招く表現だったことをお詫びします」
と謝罪しました。
これに対し望月衣塑子さんは「記事に誤りはない」と主張しています。
つまり、望月さんは東京新聞の記者ですが、社の方針には従わなかったということですね。
伊藤詩織と望月衣塑子のジャーナリストとしての経歴
日本を代表する女性ジャーナリストとして注目されることが多い2人のプロフィールを見ていきましょう。
伊藤詩織のプロフィール

伊藤さんは1989年、神奈川県に生まれました。
9歳でモデルの仕事を始め、高校卒業後は県立短期大学に通いながら、ドイツやスペインの大学で学びました。
2012年にニューヨークの大学に転入学し、ジャーナリズムと写真を専攻。
2015年に帰国し、ロイター通信でインターンを経験しています。
現在は映像ジャーナリストとして活動し、BBC、アルジャジーラなど海外メディアでドキュメンタリーを制作しています。
*伊藤詩織さんの経歴についてはこちらの記事をご覧ください。

望月衣塑子のプロフィール
望月さんは1975年、東京都に生まれました。
父は業界紙の記者、母は演劇関係者という家庭で育ちました。
東京学芸大学附属高校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業しています。

1998年に中日新聞社(東京新聞)に入社し、千葉支局、横浜支局を経て社会部で活動。
森友学園問題や加計学園問題の取材で注目を集め、菅義偉官房長官(当時)との記者会見での質疑応答が話題となりました。
*望月衣塑子さんの家族構成についてはこちらの記事をご覧ください。

2人の経歴を比較!
2人のプロフィールを比較してみましょう。
- 伊藤さんは一般家庭出身・望月さんは父がジャーナリスト
- 伊藤さんは国際派・望月さんは国内派
- 伊藤さんは正式な学歴不明・望月さんは慶応大学卒
- 伊藤さんは映像ジャーナリスト・望月さんは新聞記者
詳しくはこちらの表をご覧ください。
項目 | 伊藤詩織さん | 望月衣塑子さん |
---|---|---|
生年 | 1989年 | 1975年 |
年齢(2025年現在) | 35-36歳 | 49-50歳 |
出身地 | 神奈川県 | 東京都 |
家族背景 | 3人兄弟の長女 父は建築業 母は専業主婦 | 弟は演出家の望月龍平 父は業界紙記者 母は演劇関係者 |
学歴 | 県立短期大学 ニューヨークの大学でジャーナリズム専攻 | 東京学芸大学附属高校 慶應義塾大学法学部政治学科 |
職歴 | ・モデル(9歳~) ・ロイター通信インターン ・フリージャーナリスト ・映像作家 | ・1998年 中日新聞社入社 ・千葉支局 ・横浜支局 ・社会部記者 |
主な活動分野 | ・ドキュメンタリー制作 ・人権問題 ・性暴力問題 | ・社会部取材 ・政治取材 ・記者会見質疑 |
代表作 | ・『Black Box』(著書) ・『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』(映画) | ・『新聞記者』(著書・映画化) ・『武器輸出と日本企業』(著書) |
受賞歴 | ・2020年 TIME誌「世界で最も影響力のある100人」 ・2024年 アカデミー賞ノミネート | ・2017年 平和・協同ジャーナリスト基金賞 奨励賞 ・2018年 メディアアンビシャス賞 特別賞 |
どちらも女性として発言力・影響力の大きいジャーナリストであることが大きな共通点ですね。
【まとめ】信頼関係から対立で内ゲバ?
これまで協力関係にあった両者ですが、2025年2月に伊藤さんが提訴したことで、
と言えます。
望月衣塑子さんの記事に対する伊藤詩織さんの法的措置は、単なる意見の相違を超えた深刻な対立を示しています。
かつての「盟友」から「対立する当事者」へと関係が変化したことで、メディア業界でも大きな波紋を呼んでいます。
今後の裁判の行方とともに、両者の関係修復の可能性にも注目が集まっています。
*伊藤詩織さんの家族構成についてはこちらの記事をご覧ください。
